固定概念から解放された間取りづくり
「部屋は南向きであるべきだ」
という固定概念に縛られていると、
土地がよほど広くない限り
(80坪以上ぐらいの感覚でしょうか)
必然的に2階建ての家を建てざるを得なくなります。
たとえ、その土地が
平屋を建てるに充分な広さがあるとしても、です。
(50坪〜60坪ぐらいの感覚です)
南に家が建っている土地で
1階につくる部屋の中に
安定的に光を届けるためには、
充分な距離を確保する必要があるからです。
結果、余分に出来た土地にも
工事を施さないといけなくなり、
その分、外構工事費用が高くなります。
プライバシーや景観を守るために
目隠しや、植栽、フェンスなどの工事も
確実に必要となるので、
なかなかなコストアップになるでしょうしね。
おはようございます。
相馬です。
他方、直射光だけじゃなく
天空光を使うことを前提として
間取りを考えれば、
これまで平屋なんて絶対に無理だ
と考えていた土地にも、
平屋を建てることが出来るようになります。
直射光だけに頼らず
天空光を活用出来れば、
南に建つお家との間に
採光のために距離を開ける
必要がなくなるからです。
例えば、間口12m×奥行き15mの
北向き約55坪の土地には、
2階建ての家しか建たないと考えられがちですが、
通常採光確保のために必要だと
考えられていたスペースにも家が建てられるとしたら、
実は普通に4人家族が充分ゆったり暮らすことが出来る
平屋のお家を建てることが出来ます。
空が見える明るく広々とした
リビングダイニングキッチンに、
それぞれの部屋と充分過ぎるぐらいの収納があり、
室内干しが出来るほどゆったりとした
自然光がたっぷりと差し込む
脱衣スペースがある平屋を、です。
55坪の土地に建つ平屋とは?
この土地で設計する場合、
リビングダイニングキッチンは
南ではなくあえて北に配置します。
北に配置すれば必然的に南に建つ家との間に
充分な距離が生まれるからです。
そしてリビングダイニングキッチンの
南側に外スペースをつくります。
過ごす時間が圧倒的に長い
リビングダイニングキッチンに
直射光をふんだんに取り入れるためです。
これがいわゆる「中庭」と呼ばれる
スペースなのですが、
「中庭」をつくることによって
家の中心から光を採ることが出来、
家全体に満遍なく光が届けやすくなります。
「中庭」をつくれば、
南に建つ家からだけじゃなく、
東に建つ家からも、
そして西に建つ家からも、
充分な距離を保つことが出来るからです。
また、敷地の南に配置した部屋には
南から光は入らないものの、
「中庭」に面する北に窓をつくれば
天空光と南の壁に反射した光が
家の中に入ってくるため、
直射光に比べて安定した採光が確保出来るし、
天空光は眩しくないことから
とっても過ごしやすい空間をつくることが出来ます。
以上のような理由から、
外周面に採光のための
大きな窓をつくる必要がなくなるというわけですね。
言い換えると外周面は
風を通すだけの小窓だけで充分だ
ということになります。
結果、周りから
家の中を見られる心配がいらなくなり、
そのためのカーテンがいらなくなるし、
家族のプライバシーがしっかりと確保出来ます。
かつ、「中庭」には台風時に
直風が当たらないことから、
何かが飛んできた時に備えて
シャッターをつける必要もなくなります。
得られる数々のメリット
このように固定概念に縛られず、
土地に合わせて間取りをつくることが出来れば、
今も今後もずっと住みやすい平屋を
手に入れやすくなると同時に、
平屋の懸念点であるプライバシー性と防犯性の低さを
スッキリ解消することも出来ます。
また、耐震面でも重心が低い平屋を建てれば、
地震や台風の強風の影響も受けにくくなり、
今後ずっと安心して暮らしやすくなります。
さらに、土地の日当たりを
気にする必要もなくなることから、
土地の予算を落とすことが出来ると同時に
日当たりで諦めていた土地なども
候補地として名乗りを挙げやすくなります。
無駄に広い土地を買う必要もなくなることから
さらに土地代を抑えることも出来るし、
土地面積が小さくなれば外構工事費用も抑えられますしね。
プライバシーを担保し防犯性を高めるための
塀や植栽、目隠しといった工事も
全くと言っていい程いらなくなりますしね。
そんなわけで、
土地の周辺環境を加味した上で
要望をしっかりと精査すべきだし、
その上で間取りをつくるべきである
と考えている次第です。
ただ、平屋を建てるとなると、
少しばかりコストアップしてしまうし、
土地が持つ問題の解決手段が
「中庭」であるとしたら、
施工面積が増えることから
さらにコストアップしてしまうので、
次はコストを上げずに平屋を建てるために
知っておいていただきたいことについて
お伝えしていきたいと思います。
それでは、、、
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